フリーランスになるには、知っておくべきルールがあります – このルールさえ守れたら、長く安定して働ける!
フリーランスとしてお仕事をしていると、様々な関係性が発生します。
最もシンプルな形だと
- お客様
- 自分自身
以上のふたりで完結するのですが、このケースはまれです。
たいていの場合は、お客様と自分自身の他に
- 発注元
- 仲介業者
- 決裁権者
という立場の人や組織が加わっているケースが大半です。
ところで、あなたは自分の請け負ったお仕事に関係する人や組織を、どれくらい把握しているでしょうか?
そして、知らない間に問題行動を起こしてはいないでしょうか?
フリーランスの問題行動その1:やってはいけない「おまけ」行動
あなたは牛タン屋さんでフロアを担当する、アルバイトスタッフです。
このお店は連日大盛況、いつもお客様であふれています。
ある日のこと、あなたが接客したお客様から、こんなご要望がありました。
「この牛タン、とってもおいしいよね。もっと食べたいから、1枚サービスしてよ」
牛タンの追加は1枚あたり150円、つまり有料です。
さて、あなたはどう答えますか?
決められたルール通り「では、150円頂きます」と言えるでしょうか?
「私さえ黙っていたら、誰にも分からないから」と、こっそりタダで追加してはいないでしょうか?
フリーランスの問題行動その2:その「場所」は、誰のものですか?
場面は変わって、今度はスーパーのレジ担当として、あなたは働いています。
あなたが入る時間はスーパーが混雑する時間で、レジには大勢のお客さんが並ぶ状態です。
そんなあなたの趣味はハンドメイド、暇さえあれば制作に余念がありません。
必然的に家中にあなたの作品があふれ、材料費もバカになりません。
「そろそろ、何とかしないと…」
こんなことを思ったあなたは、ふと職場であるスーパーのことを思い出します。
「そうだ!」
ひらめいたあなたの取った行動は、レジに並んだお客さんに自分の作った作品を売ること。
たくさんの人が自分の目の前にやって来るのですから、このチャンスを逃す手はない、というわけです。
ですが、あなたの行動に対してお客様がスーパーへクレームの投書をしたことがきっかけで、あなたは職を失ってしまいました。
フリーランスの問題行動その3:「原価をついうっかり、ポロリ」事件
ここは開店して3年目のイタリアンレストラン。
あなたはこのレストランのオーナーシェフであり、ひとりでお店を切り盛りしています。
今は固定のお客様がようやくつき、お店が軌道に乗ったところです。
今日は週の中日、お店が比較的空いていてお客様のお相手がゆったりとできます。
それを見越したのか、常連さんのひとりが1500円のパスタを注文しながら、こんなことを言い出しました。
「ねぇ、このパスタって原価はいくらなの?」
「お客様から聞かれたことには誠実に答えたい。だって、そうやってこの店は大きくなったのだから。」
そう思ったあなたの返事。
それは「この料理の原価は536円です。」
この後、どうなったかって?
それはあなたの想像にお任せします。
フリーランスとして働く上で、必要な心構え
ここまで読んで、あなたはどう思いましたか?
もしかしたら「そんな人、いるわけないでしょ」と、なったかもしれませんね。
会社の一員として働いている分には、さっき書いたような問題行動を取る人はそれほど多くはないでしょう。
- 自分の仕事は何なのか?
- 自分の持つ権限は、どこまでなのか?
- 自分がしてはいけないことは何なのか?
といったことをしっかりと把握し、ルールを守って働いているでしょうから。
ですが、フリーランスという立場になると、これらのルールを守れないケースが出てきます。
守るのが難しいばかりでなく、
- 提供した商品やサービスに見合った料金を提示し、支払いを受けること
- 「誰からやって来た仕事なのか」によって、提供できる商品・サービスが変わること
- 根拠のない値引き要求には、毅然とした態度を取ること
といった、フリーランスの掟を知らないというケースを見聞きすることが、この3年ほどで飛躍的に増えました。
さて、あなたはいかがでしょうか?
「仕事を取りたいから」と、発注元の過分な要求に黙って従ってはいないでしょうか?
自分の持つ権限から大きく外れる行動を取ってはいないでしょうか?
事業をする者として、明かしてはならない情報を開示していないでしょうか?
今一度、よく考えてみてくださいね。
在宅で働くフリーランス事務代行「プロ事務」創始者。
2010年よりプロ事務に従事する。
また2015年より「プロ事務育成プログラム」専任講師として、200名以上のプロ事務を輩出。
プロ事務の後進を養成する活動を続けている。
香川県在住。プライベートでは夫と娘、息子の四人家族です。