文章力アップの秘訣は「読書」にあった – 本を読めばどんな文章も思いのままです!
今はネット上で気軽に発信ができる時代。
ブログやTwitter、Instagramと、自分の思いを発表する場は数多くあります。
そして、この間まで自分と同じだと思っていたあの人が、気が付けば「文章ひとつで有名人に」ということも実現する社会になりました。
自分の主張を、誰もが世の中へ広く発言できるようになった現在。
このような時代だからこそ必要になった能力が、実はひとつあります。
「それは何か?」というと文章を書く力、つまりライティング能力。
自分の考えを分かりやすくまとめ上げ、ネット上に出す力が問われています。
あなたの文章力は、読書の積み重ねによって確実にアップする
私がネット上に文章を出すようになって、15年ほどが過ぎました。
書き始めた当初は見るに堪えない文章でしたが、回数を重ねるたびに徐々にライティングスキルは上がり、今では「分かりやすい」と褒めていただけるようになっています。
このように、文章力というものは数をこなすことで必ず向上します。
毎日のランニングが体力やスピード、持久力のアップにつながることと同じです。
ただ、「文章力を上げよう」と何度も書く前にしておくとよいことがあることを、あなたはご存知ですか。
それは、ランニングで言えば準備体操にあたる「本を読む」つまり読書です。
準備運動もせずにいきなり走り始めるとよくないのと同じように、下準備もしないままに文章を書いてもあなたの文章力には何の変化もないのです。
さらに言うと、ビジネス書ではなく小説を読まないと、意味がありません。
「ビジネス書を100冊読むのではなく、小説を1冊読む」
これがライティングスキルを向上させるための読書です。
この記事では、小説を読むことで文章力がアップする理由を、3つに分けて説明します。
小説の読書で文章力向上の理由1:言葉の引き出しが増え、文章の奥行きが広がる
小説には、あなたが普通に見聞きしない、多種多様な言葉が出てきます。
特に日本語は同じ意味を表す言葉が無数にあり、書き手が持つ言葉選びに対するセンスの見せ所です。
また、著者によっては、同じ言葉が違う意味で使われているケースも。
その一方、ビジネス書、特に低価格ラインのものは「誰が読んでも分かりやすい」を主眼に置いた著書が多いという特徴があります。
ビジネス書が持つ目的「スキルを伝える」にはマッチしますが、どの本を読んでも使われている言葉はさほど変わりません。
文章力アップを目指すのであれば、文章を構成するひとつひとつの言葉に注意を払うことがおすすめです。
そして、言葉の組み合わせによって文章はいかようにも変化を遂げます。
これらを目の当たりにしたいのであれば、小説を読むことがベストだというのが私の考えです。
小説の読書で文章力向上の理由2:想像力が向上し、あなた特有の文章が書けるようになる
ビジネス書の持つ大きな特徴として、「その本で著者の伝えたいことは、本文や目次にすべて網羅されている」というものがあります。
言い換えると「本を読めば、言いたかったことは全部出てくる」というわけです。
ビジネス書の中には、目次さえ読めば言いたいことはすべて書かれてある、という構成になっている本もあります。
手にしたビジネス書の内容をささっと把握したい時、私は目次しか見ません。
目次に目を通せば、精読せずともあらかたの内容が予測できるのが、ビジネス書なのです。
ですが、小説だとそうはいきません。
話の先が気になって途中をつまみ読みしたのでは「なぜ、そうなったの?」の連続です。
結局は最初から順を追って丹念に読み進めなければ、話の筋すら見えてきません。
また、書かれていないシーンを想像で補うのも、小説ならではの楽しみ方です。
一文ずつ味わうように読んでいくことで、あなたの頭の中には「あなたの世界」が広がります。
同じ小説を他の人が読んだとしても、この世界はふたつとないあなただけのものです。
こうした「世界」を小説を読むたびに作っていくこと。
さらに、先ほどご紹介した言葉の引き出しを増やしていくことで、あなたが得られるもの。
それこそが、あなたの考えを、あなただけの言葉を使って文章に変換することです。
ここまで来れば、ライティングスキルの向上という目的を果たすまで、もう少し。
「小説を読んで文章力アップ」最後のひとつをご紹介しますね。
小説の読書で文章力向上の理由3:数多くの感情を体験できる
最後の理由は、小説を読むことによって得られる感情の「体験」です。
リアルで体験しているわけではないので、あくまでも疑似体験にすぎません。
ですが、登場人物の誰かに感情移入をしながら読むことには、文章力アップに欠かせないある要素があります。
ここでひとつ、質問です。
「あなたは、なぜ文章力を鍛えたいのですか?」
少し時間を取って、考えてみてください。
答えは出てきましたか?
おそらくは、何かの形で「自分の考えを誰かに聞いてほしい、読んでもらいたい」があったのではないでしょうか。
人に何らかのアクションを起こしてもらうために必要なのは、ズバリ感情です。
「○○に興味がある」「▲▲したい!」
このような思いがあって、はじめて人は行動を起こします。
まとめると、
- 人の感情を起こす方法が分かり
- その方法を実際に使うことで
- 人を動かすことが可能
ということです。
誰かに行動してもらうために、あなたが使えるツールのひとつが文章です。
あなたが何を読んだ時にどのような感情が起こり、その後何らかの行動を起こしたのか?
以上のことを注意深く観察してデータとして蓄積することで、「人の感情を動かす文章とは何か?」が見えてきます。
何を、どう書けばいいかが分かれば、あとは「理由1」「理由2」で得たスキルを使って、文章を書くだけです。
文章力アップのために、小説を読もう!
ここまで読んで、ひとつの疑問があるのではないでしょうか。
「じゃあ、一体、どんな小説を選べばいいの?」
この質問の答えは簡単。
「あなたの好きな小説を選んでください」です。
特定の作家さんが書いた小説を片っ端から読むのは、定番の方法です。
他にも
- 以前に読んで気に入ったジャンルの小説を読む
- 身近な友人や知人に、おすすめの小説を聞いてみる
- 書店に出向き、気に入った表紙のものを選ぶ
といった方法もあります。
正解はないので、ピンと来た方法を採用してくださいね。
今の私が人前に出せる文章を書くことができるようになったのは、子どもの頃から今に至るまでの読書習慣のおかげです。
文章を数多く書いたことも理由のひとつではありますが、その割合としては
読書習慣 : 文章を書いた量 = 8 : 2
といった感覚です。
それくらい、ライティングスキルの向上に読書は大きな影響を持ちます。
まずは、あなたの目の前にある1冊の小説からで構いません。
文章力アップへの道は、そこから始まります。
1ヶ月後にあなたが書いた文章が見違えるほどよくなっていることを、私は心から願っています。
在宅で働くフリーランス事務代行「プロ事務」創始者。
2010年よりプロ事務に従事する。
また2015年より「プロ事務育成プログラム」専任講師として、200名以上のプロ事務を輩出。
プロ事務の後進を養成する活動を続けている。
香川県在住。プライベートでは夫と娘、息子の四人家族です。